バンコク記(9)
ニサラの案内でバンコク探索。
まず、ジム・トンプソン。
豪華なタイシルク商品が並ぶ。
ジム.トンプソンと言うアメリカ人がいた。
第二次大戦後にタイシルクに目を付け、莫大な財をなした。
マレーシヤの山中で行方不明になりその顛末は判らない、
元々は建築家、CIAにも属し、その事業成功までの波乱万丈の人生が伝説化しているが、
その謎に包まれた失踪、金銭目当ての誘拐説、自殺説、地民に殺された説、
虎や豹の餌食になった説、遭難説等々。
多額の賞金付きにもかかわらず一切の手掛かりが無かった。
彼の始めた事業は順調に推移し、
タイで最も著名なシルク店として其の名を世界に轟かせている。
血走った目で漁るように物色する沢山の日本人に交じって買物を済ませ、
ニサラのボーイフレンドと日本食レストランで落ち合う。
彼の愛称はゴルフ、ゴルフ気狂いだ。
真紅のTシャツ、銀色に染めた髪、ネックレス、腕輪、指輪が体中に光り輝く。
快活明朗な大男、時々鋭い目付きをするが、笑うと可愛い。
モデルのコーデネーターのような仕事をしているらしい。
伊勢丹なども入っている巨大なショッピングセンターの6階、「禅」という名の店。
やっと席が空くくらいの混雑、日本人もチラホラ見えるが殆ど現地の人のようだ。
彼等は日本食、それも刺身が大好物だ。
大きな盛り合わせをたちまち平らげる。
彼の両親は中国人だが彼は中国語が全く話せない。
ニサラは2年間イギリスに留学後、現在はタイ航空で世界を飛び回っている。
「サキソホン」ジャズライブの店、
久し振りのライブ、アドリブが見事だ。
ドイツ風の陶器の大ジョッキのビールも雰囲気を盛り上げる。
旅に出て、カオサンに来て、ビールを飲みながらジャズを聴く、
これ以上無い開放感を味合う、こんなのが旅の醍醐味だ。
最後は彼の後輩がオーナーのカオサンの店で乾杯。
つづく